■ ロートアイアンについてよくあるご質問から
その特徴と性質について
「鉄工芸って?」ではロートアイアンについての一般的な説明をしました。このページでは少し詳しく、材料や加工方法からくる特性などを説明しています。
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このページの項目
●鋳物ですか? ●アルミ鋳物とのデザインのちがい ● 一つでも作れます ● セキュリティー ●重いですね ●錆びは?
■ ロートアイアンて鋳物ですか?
いいえ、鋳物ではありません。
鉄というとどうも鋳物という先入観をお持ち方がいらっしゃるようです。私共の製品ロートアイアンは鍛鉄です。鋳物の鉄は鋳鉄といい鍛鉄とは区別されます。
まず制作方法が異なります。
鋳物は鋳型に溶けた鉄を流し込んで造るものです。したがって鋳型さえあれば同じモノを大量に生産することが可能なのです。鋳物は鉄だけではなくアルミもあります。門扉などではアルミの鋳物製が多く見られます。
ところが鍛鉄は鉄を赤く熱した状態で一つ一つハンマーで叩いて形を作っていきます。したがって造形的にも自由に様々の形を表現していくことが可能ですので、むしろオリジナルの一品を作るのには適した技法です。
鉄であっても鋳鉄と鍛鉄は性質が違います。鋳物は炭素を多く含んでいますので硬さは強固ですが反面弾力性には乏しく強い衝撃に対してはかえってモロイこともあります。ロートアイアンでは製鉄所で作られた規格の鉄材(角鋼、丸鋼、平鉄など)を材料にして制作しますのでデザインと構成次第で見かけよりも頑丈で強靭なものに仕上がります。
■ アルミ鋳物の門扉は大変豪華ですね、ロートアイアンはそれよりもシンプルに見えますが?
鋳物と鍛鉄とのデザイン的な違いはありますか?
ハイ、大いにあります。
鋳物ではアルミ鋳物 (溶けたアルミを鋳型に流し込んで作ったもの) の門扉などが多いのでそこに鋳物製による顕著な傾向が見て取れます。
前項でも説明しましたように鋳物製品は強靭さではどうしても弱点がありますから、それを構造的に強化する必要があるのです。その結果、構造的補強のためにも各所をより多く繋いだデザインにせねばなりません。高級品と言われるものほど装飾が施され素透しの部分より飾りの方が多いくらいに見えるのはそのためでもあるのです。そのような過剰なほどの装飾を豪華で高級と思っておられる方もおられます。
鋳物製の門扉などをよくみるとデザイン的には不自然なものさえ見受けられることがあります。それらのディテールによく用いられのはヨーロッパの伝統的鍛鉄によくあるようなデザインの流用なのです。ひどいモノになると透けていないバスケット、帯び巻き状の部分から葉っぱ状のフランジがはえて、おまけに装飾的なリブまでついていたりと・・・鍛鉄の技法によるデザインを理解もせづに形だけ流用 (しかも間違って) したような滑稽なものさえ見受けられます。鋳物には鋳物の特性を活かしたデザインができると思うのですが。
どうも鍛鉄デザインの鋳物式アレンジが見受けられます。そのような鋳物製豪華版をご覧になると鍛鉄製はかなりグレードの高いものをもってしてもずっとシンプルに見えてしまいます。
しかしまたシンプルで簡潔なデザイン性を表現したようなものでも鍛鉄の場合は十分な強度を得ることもできるのです。
用いられるデザインと製作法・技法との関わり方が本物かどうかの判断の一つの基準ではないかと思っています。
■ たった一つでもオリジナルのものができるのですか?
はい、大丈夫です。鍛鉄技法でできるデザインであれば一つからでも制作いたします。上にも述べましたようにパーツの一つ一つからでも全くオリジナルなデザインで作ることができるからです。むしろそうした他には無いモノをお望みの場合に鍛鉄は向いているのです。
■ 強度とセキュリティー
近頃は防犯対策を重視されるようになってきましたが、その点から鍛鉄製の門扉、扉、窓格子などを検討されることもあります。鍛鉄製品はセキュリテイの面からも充分な機能を発揮できるに違いありません。
門扉や窓格子などはセキュリティがその本来の役割だったのですがステータスやデザインエレメントとしての傾向に偏りがちになっているようにも思えます。近頃のように犯罪が増加しますと建築用の金物にセキュリティ面での本来の機能を求められるようになり、扉や窓の鍵破リ (ピッキング) の対策強化はもちろんのこと門扉や窓格子などはとくに本来の機能としての頑丈さが重要視される必要があります。
今日では様々な工具を簡単に手に入れることができます。鍵破りだけでなく、手工具、電動工具、さまざまな切断用の道具などが入手できるということは扉や格子を容易に破壊、切断してしまうこともできるのです。それらに対応するにはより高度(硬度)の対策をする必要があります。
材質的に軟らかいもの、脆いものでは単なる飾りにすぎないのです。たとえば融点の低いアルミでは400度Cぐらいで溶けてしまうのです。鉄は1500度Cぐらいです。カセット式ガスバーナーでも1400度超というものがあるのです。
デザイン性とセキュリティー機能を高いレベルで発揮できるのは鍛鉄製品です。
■ 鍛鉄製品は重いですね!
確かにそのとおりです。
軽薄短小が決めての時代なのでしょうか。鉄は錆びるのにそのうえ重いからと敬遠される向きにはもっともこんなページはご覧にならないでしょうけれど。
しかし人間の感覚には重量感を求めることもあるのです。
視覚的にはあえて軽そうなものを選ばないこともあります。手触り、音色もそうです。どっしり落ちついた物がほしい場合もあります。
軽い物を選択しながらデザインとしては重量感があるものを求めようとしたり・・・。たとえば軽さを身上とするアルミ製品の金物でも過度なデザインで重量感を付与しようとしようとしたりするように、デザインと材質の間に必然性が見られないようなおかしなことが多々あるのです。
またそのおかしなことを躊躇せずに選択してしまう人も多いのです。でも仮にプラスチックの門扉や窓格子があったとしても買う人はいないでしょう。そこまで使い手が無知であるとは作り手も考えないでしょうから。
材質をデザインと機能に活かしたもの、そして五感で納得がいくものが本物ではないかと思います。
モノが多すぎて本物にめぐまれないのかもしれません。
我田引水ではありますが、鍛鉄の門扉。重々しいデザインをしなくても重いのです。先ず、取っ手を握って、無垢の鉄材の感触がピタッとくればそれで充分かもしれませんが、そのままそっと扉を開けてください。
けっして重過ぎるということはないにしてもパイプ材やアルミ材では伝わらない手ごたえが伝わってくることと思います。そして耳にも「ギイーッ」という重々しい音、アッこれは油切れです。お手入れをお忘れなく。
私どももより本物に近づけるように制作に励んでいます。
■ 鉄は錆びますね!
はい、そのままでは錆びます。
強固な鉄も大気中では生地の鉄肌のままでは赤錆が発生します。この赤錆から鉄を守るには鉄の表面を大気から遮断するしかありません。
そこでメッキや塗装、あるいはこれらの併用が必要となるのです。
何らかの防錆処置を施さづに放置しておくとやがては錆びが進行し朽ちて土に帰ることになってしまいます。もっとも鍛鉄では無垢の鉄材を使うことが殆どなので、多少の年月では朽ち果てるまでには至りません。
錆びずに長持ちさせるには定期的な塗装の塗りなおしが必要です。
しかしまたアルミや錆びにくいステンレスなどとは違い年月を経て使い込まれていくことででてくる美しさも知っていただきたいと思います。
むしろ油拭きしたり手間をかけながらも出てくる適度な錆肌の味わいや、あるいは何度も塗り重ねられたペイントのごつごつした厚みになどには年月を経たものにしか出せない美しさがあります。
木や竹など天然素材などは使われることと年月を経ていくことによる味わい、美しさが深みを増していきます。鉄もまたこれらと同じようにやがては朽ちていく天然素材の良さとしての変化をしていくのです。「わび寂び」という日本文化の美意識も天然素材の経年変化による美しさのことも言うものではないかと思うのですが。
錆びると言うことは素材そのものから由来していることではありますが、手入れしながらよく使えばそれだけ味わい深くなります。よく使われるモノは錆が進みにくいものです。
鉄も、頭も、腕も・・・「常用の鉄は錆びず。」の諺どうりです。
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